さくら道国際ネイチャーラン2015その5
やっと五箇山のふもとにやってきました。
しかしもう歩くのがやっとでとても走ることはできません。
去年同じ場所に立ちながら、意外と走れる傾斜だと途中まで元気に走ったのがうそのようです。
ふと時計を見ます。
ここを全部やっと歩いて登って間に合うんだろうか。
もうすっかり余裕はなくなっていました。
とぼとぼと登り、頂上に40番エイドが見えたとき何かぷつんと切れた感じがして突然涙がこぼれてきました。
走り始めて6年、いろんなレースに出ましたが涙が出たのは初めて。
ここでさくら道も終わるのか。やっとここまで来たけど。
そう思ったら涙が止まりません。
出迎えてくれたエイドスタッフの前で両手に顔をうずめました。
差し出してくれた暖かいお味噌汁をいただき、シューズを脱がしていただき、足首にモーラステープをぐるぐる巻いてくれました。
でも心の中はゴールしたかったのに、とそればかりで涙が止まらず。
と、その時韓国人ランナー、パクさんがエイドにやってきました。
彼は今回のレース最高齢の73歳。
なにがなんでも完走する!とう気迫にあふれていました。
私のようにイスに座ることもなく、時間を気にしながらエイドでささっと補給。
みんなの大声援を受けてさっそうと飛び出していきました。
その後ろ姿を見たとき目が覚めた思いがしました。
私はここで何をやってるんだ?
まだ間に合うのに。
ここでお味噌汁飲んで泣いてる場合じゃない。
どうかしてた。
「すみません、行きます」
そういって立ち上がった時、運営委員会の皆さんが最後の関門の時間を確認してくれました。
第5CP大鋸屋まであと約10キロ。
出てすぐ1つトンネルがあり、その後コース最長3キロにもわたる五箇山トンネルがあり、そこを抜けると最大最長の下りがえんえん続きます。
下りでどこまで飛ばせるか。
その後は頭が真っ白になって無我夢中で走っていました。
この長い五箇山トンネル。途中から傾斜が大きくなります。
遠くにパクさんの点滅ライトも見える。
自転車で並走してくれるスタッフ、車で追いかけてくれるスタッフから激励が飛びます。
「脚が痛かったら腕を振れ!!腕で走れ!!」
必死に腕を振って前傾姿勢を取って走ります。
トンネル出たところに1つあるエイドはスルー。
どこだっけどこだっけ大鋸屋は。
確か右側にあったはず。
くねくね蛇行しているのでなかなか見えない。
見えた!
スタッフがみんな立ち上がってこちらを見ています。
そこで最後にギアチェンしてペースを上げます。
どこにそんな力が残っていたんだろう。
やった!着いた!
しかしタイムオーバーでした。
私のさくら道は本当に終わりました。
拍手で迎えてくださった中、もう涙はありませんでした。
走らせていただいて支えていただいて本当にありがたかった。
深々と頭を下げてレースは幕を下ろしました。212㌔。
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