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2013年9月20日 (金)

雁坂峠越え秩父往還走142キロ完結編

最後のエイドCP8125キロにやっと到着。
雨は止むどころかどんどん激しくなり風も出てきた。その風が夜中なのに生温かくて台風の風なんだなあとぼんやり感じてました。
このエイドに到着前からスイッチが切れたように走れなくなりました。
左膝裏はずっとおかしいし、右の股関節の痛みは増して時々ズキっとするし、でもそれ以上に倦怠感・・全身の疲れ・・・睡魔。
頭は走ろうと思っているのに全身が拒否してる感じ。
なぜこんなに体力ないんだろう・・・。走りたいのに走れない。もう雨は意識にはなかったけれど確実に体力を奪っていたようです。

最後のエイドが夜中2時ごろ。ここでリタイアする人を何人も見ました。
ここからゴールまであと18キロなのに、もうこれ以上動けないと座り込む人。
スタッフが一生懸命励ましています。思いとどまってまた脚を動かし始めた人もいたけど、もうそんな力が残っていない人もいた。
私は最後にスタッフがこれで暖まってーと作ってくれた葛湯といくらごはんを食べて、なんとかイスから立ち上がり。
最後の18キロに向かって進み始めました。

ここからが遠いというのは聞いていたけど本当に遠かった・・・・・
しかももうちょっと元気出たしスピード出してみるか!と走り始めたら膝裏がピキ!!激痛!
なんか筋をやっちゃったみたいです・・・・絶体絶命。
どうしよう。もう走れない。間に合わないかもしれない。


ざんざん降りの雨の中、ようやく街灯の下でザックにしまっておいた痛み止めを出す。
今まで1回も飲んだことがないけど、お守りとして携帯はしていた薬。
お願い、きいてほしい。最後は走りたい、走れますように!
胃薬と一緒に水で飲んでとにかく早く効き目が出てくることを祈ってびっこを引いて進む。


でも。
ぜーんぜんきかない。一歩進むごとにピキピキ痛む。
なんできかない!?もうちょっと時間がかかるんだろうか。
びっこを引きつつ前日説明会で聞いた高速道路が出てくるのを待つ。
圏央道と関越、両方越えたらもうすぐなんだ!と言い聞かせてとにかく早く薬が効いてくることを祈ってひたすらひたすら進む・・。


結局最後まで薬は効きませんでした。
最後の力を振り絞って走るランナーに次々抜かれていきます。
もう眠くないし、だるさも何もないのにとにかく痛くて走れない。
気がついたら口に出して「走りたいよー」と言ってた。走りたい、あれほど強く思ったことはなかったなあ。
ガーミンは充電が切れていてもう何キロか時間もさっぱりわかりませんでした。
一度最後に見たとき5時だったけど、そこが何キロ地点かもわからないからもう気にするのはやめました。
もし、間に合わなかったとしても絶対にゴールしよう。そう思ってました。


雨のために歩道が冠水したり、水たまりが池になっていて、でももうよける場所も脚もありませんでした。
どうせすでにずぶずぶなんだし。もうびちゃびちゃと水の中を進むしかありませんでした。
時折ヘッドライトの下、座り込んでるランナーがいるなあと思うとたいがいソックスを脱いで足裏のケアをしています。
私も少なくても両足裏に1個ずつはマメがあるなあと認識しつつも、そんなことはどーでもよく。
それよりも強い痛みに苦しみながら時折バス停の名前や地名表示で場所を確認していました。
これがまったく縁のない土地だったらもっとわからなかったと思いますがそこは川越。
「的場」の交差点まできたときあと少し!と思えました。


どこかで右折するのですがそれがさっぱりわからなかった私(笑)、前に見えるランナーのピカピカライトだけを頼りに見失わないように必死でした。
でもずっと見えてるってことは向こうも同じペースだな。そんなことを思っていたら誘導する人が見えました。
あ!あそこだ!
なぜか前の人に追いついてきて、でも曲がってからも長い・・・どこがゴールかわからないー。
と、見えました「川越温泉」!
前の人たち(2人でした)がゴールするのを待ってからやっとゴール!終わったー。


どうせ間に合わなかったんだろうと思っていたら代表の館山さんが来て

「永久ゼッケンおめでとう!!」

と肩をたたかれびっくり!


思わず
「あの、間に合ったんですか??」と聞くと
笑いながら
「もちろん間に合ってるよ、おめでとう!」
と言われたのでした・・・・。


ゴールしてもまだ雨は降り続いていました。
しかし辛かった。今までで1番辛いレースでした。
故障で走れなかったラン友達が徹夜で待っていたらしく、出迎えてくれました(涙)。
やっとやっと長い旅が終わりました。

最後に。
こんな天候の中寝ずにサポートしてくださった運営スタッフ、ボランティアの方に深く感謝します。
疲れ切った私たちを明るくサポートしてくれました。夜道をずぶぬれになって歩いているときに通りすがりに励ましてくれたこと、本当にうれしかったです。
そして一緒にレースに参加してくれた「変態ランナー」の皆様、ありがとうございました。
増水した沢を渡るとき手を貸してくれた人、真っ暗な山を並走してくれた人、脚を引きずってようやく進んでいる私に「あと少し!」「ファイト!」と声をかけてくれた多くのランナーたち。皆さんがいなかったら絶対完走できませんでした。
そして、こんなレースをこよなく愛して熱烈にすすめてくれたラン友達2人!また故障でDNSになってしまったのに前日からゴールまで徹夜で応援、ゴールを迎えてくれたFさん。本当に本当にありがとう!
今度は一緒に楽しんで苦しみましょうね。

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