萩往還道マラニック140キロその４

最後のCP出てから実際の往還道に入るまでは5キロくらいロードを走るが・・・残念ながらあまり記憶がない（笑）。
地図を見てもさっぱり思い出せず、まあきっと惰性で走って（歩いて）いたんだろう。

このへんはずっと向こうからやってくる元気な70キロのランナーがすれ違いながら声をかけてくれるところ。
それに対して140キロと250キロのランナーがよれよれになって応えてるところ（笑）。
声出すと目は覚めるのだが、体力も消耗する・・。
そういえば行きの往還道、速い250キロランナーとすれ違うのだが向こうはだいたい無口だった。
しーんとした山の中なので小さな声で軽く挨拶を交わしたりしたけど・・・今は思い切り昼間。
ふと見ると道端で座り込んで寝ている250キロランナーもいる。そう、みんな疲れもピーク。

この頃からいろんなランナーに声をかけられて話ながら進むことが多くなった。
たぶんみんな眠くて（笑）話すと眠気が飛ぶからなんだろう。
往還道に入ってからもいろんな人と会話した。
峠では知り合いの250キロランナーに遭遇して一緒に一升谷をがんばって登った。
あんなに眠かったのになぜか往還道になってから「あ、まだ走れるかも」という感じになり、走れる道は全部走った。

どうやら11時ごろにあられが降ったらしいが、なぜか全くぬれることがなく、道がぐちゃぐちゃになっているのを見て「そんなにすごい雨だったのか」と思ったくらい。
最後坂堂峠に入る前のだらだらしたのぼりの国道でベテランっぽいランナーに声をかけられ、話してるうちに共通の知り合いまで発見し、なんと名刺までいただいた（笑）。
その方に「最後の峠は走ろう。ここからゴールまで走れば21時間前後でゴールできるぞ」と言われ、やる気スイッチが入った！
初めて時間を思い出し（笑）、まあタイムはともかくとして最後は走ろう！全部走ろう！そう思ったら階段も登れるようになった♪

もう砂利道も石畳もとにかく全部走る走る！すれ違いの人に「すごい、走ってる！」とか言われても返事をする余裕はなし。いつまでも続く石畳に「いつまで続くの！」と文句を言いながら走った（笑）。つい先日ネイチャーで道に悪態つきながら走ってたランナーの気持ちがちょっとわかったかな（笑）。

やっとロードに出て「あと3キロ！」と言われて時計を見る。キロ６で走れば15時にはゴールできる。もうとっくに脚は終わっていて、すでに前ももは筋肉痛で力も入らなくなっていたのになぜか走れる。見るとみんな走ってる！！初めてじーんときた。さっきまで同じようによろよろしてたランナーが力を振り絞って走ってる。
最後の登りも走り、たくさんの人とハイタッチをしていたら目の前に友達のマロン君が立っていた。
なぜかゴールまで一緒に走ってくる。なんでだろうと思いつつゴール！21時間ジャスト♪
すぐその場でチェックシートの確認、認められるとメダルをかけてもらいすぐに完踏証が出る。
いやあ・・・なんで最後あんなに走れたのかなあ。あの名刺をくれたランナーのおかげかも。

と長い旅が終わった・・・・が、なぜか長かったとは思えなかった。なぜだろう。
あっという間の夢の中のようなレースだった。
どんなレースも出てみて初めてわかることが多いが、フルにはフルの、100キロには100キロの、そしてこういう100キロ超のマラニックはマラニックの難しさと面白さがある。
いやあ・・・おもしろいなあ、そして奥深いなあ。

出てみて気づいたこと、おそらく初めて出る人が疑問に思うことについては、次回に書こうと思います。