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August 11, 2007

おいしいハンバーガーのこわい話

「おいしいハンバーガーのこわい話」

「ファストフードは世界を食いつくす」の著者がもっとやさしく
わかりやすく書いた本。
ファストフードがどんな材料で、どんな風に作られ、
どうやって世界中に運ばれ、どうやって安い賃金で販売し
どういう影響を人間に与えるか。
マクドナルドを例にとって、ファストフードの歴史、その過程を
説明している。

でも、この本が教えてくれるのはそれだけじゃない。
もっともっとこわい話もある。

200708090757000

ハンバーガーという食べ物そのものは、悪いものでもなんでも
ないし、昔は手作りで作られていた。
アメリカ人の生活スタイルの変化とともに、食事はより簡単に
時間をかけず、さっさとすますようになり、その量をこなすために
画一化された製品を開発して、誰でも温めるだけで作れるようにし、
マニュアル化された販売で、賃金の安い子供でも働けるようにして
人件費を下げていった。
そして、爆発的にファストフードは全米に、そして世界中に広まった。

こわいのは、その「画一化」がおよぼした影響の大きさだ。
大量に同じ規格のものを要求されるようになると、
それにこたえられない小規模なところが倒産していく。
地域や国の特有な文化が失われていく。
歯医者がまったくいないアラスカのある町には、飛行機で
ファストフードが大量に運ばれ、学校で販売されるようになり
歯がボロボロの子供が急増した。
でも歯医者は一緒に連れてきてはいないのに。

もちろん材料になる「動物たち」はもっと悲惨な目にあっている。
その辺の残酷な記述(でも事実)は読めないというか、
目を背けたくなる。
でもこうして低価格・均一化が実現できたことは確か。
パテやチキンナゲットにどれだけの動物たちの苦しみがあったか。
「ミートホープ」と大差はない。

しかし、外食産業だけでなくあらゆる産業にこの「大量生産」
「画一化」が広まっている。
みんな、GAPを着てハンバーガー食べて、コーラ飲んで。
そのうち頭の中もカラダも同じになってくるんじゃないか。
いや、すでに病気は一緒だ。
大人も子供もどこの国の人も、肥満や成人病と戦っている。
それこそ異常な世界だ。

先日のPeople Treeのパーティで、広報担当の人」に聞かれた
ひとこと。
「うちのフェアトレード製品は率直に言って(値段が)高いですか?」
私は即答した。
「いいえ!安すぎます」と。
大量に作られるものがなぜ安いか。材料も製法も作る人の賃金も
「アンフェア」だからあんなに安くできるのだ。
オーガニックな綿花を栽培し、手で織って染色して、
手作りした服が、あのへんの服と比較されて「高い」と言われるのは
もう元々の価値観の違い。
消費者の意識の問題なのだ。

食べ物だけのことと思って読んでみた本だったけど、
思わぬところで考えたし、でも私の考え方の方向性は違っていないな
と認識もできた。
(もちろん食べ物メインの話として捕らえてもOK)
ぜひ機会があったら手にとって読んで、考えるきっかけになったら・・
うれしいな。

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